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「この情報を得るのに、かなりの時間と手間がかかりました。相当、大和屋の店主は周囲にばれぬようにしているみたいですね」
芹沢は舌打ちをした。
怒りが込み上げてきている。
何故、少女は母親と引き離され、母親は酷い目に遭わなければならない?
純粋で無邪気な少女が一体、何をしたというのか。
母親が何をしたというのか。
そして、この事を少女が知ったら、どんなに悲しむことか。
芹沢は静かに口を開いた。
「…平山」
低く、怒りが滲み出ている声だった。
「大砲を出せ」
平山は一礼をした。
「…承知致しました」
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