第四章

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戻ってきた店主の後ろには、若い女が居た。 しかし若さはまるで感じられず、窶(ヤツ)れていて、疲れが目に見える。 一気に、芹沢の頭に血がのぼった。 刀に手をかけた。 チャキ、と鍔が鳴る。 店主は戦(オノノ)き、間抜けな声を出した。 芹沢は店主を射抜くように見つめる。 やがて芹沢は刀から手を離すと、店主に告げた。 「その女を連れて行く」 「しかし…っ」 「俺は」 芹沢は店主を睨み付けた。 「その女にお前がしてきた仕打ち。全て知っているぞ」 店主が後ずさった。 「この事は不問にしてやる。その女は俺が連れて行く。何か文句でもあるのか?」 店主は首を振り、女を差し出した。 女、つまり千景は驚きや戸惑いを隠せないようで、芹沢と店主を交互に見ている。
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