道化

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      "それじゃあ…"   窓枠に腰掛け   ベッドを占領している少女に向かって   道化は口を開く       "君は誰"       "………"   今度はマッチを売れないマッチ売りが口ごもる番   彼女もまた"名"を持っていなかった           雪雲が割れ   ほのかな光が   道化の部屋に差し込む       雪で反射する程の   強烈な光     それはまさに"幻想"           雪が青く輝き   蝋燭の紅はゆらゆら揺れる       世界に今   "色"が落とされた
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