第二章.月神村

3/59
前へ
/409ページ
次へ
「お母さん!どうしたの?」 「な…何もないわよ。」 そう言うけど、どこか苦しそう。 いや、どちらかと言えば表情が暗い。 本当に大丈夫かな? 「満月――?!」 ―――え? いきなり襟首を引っ張られる。 途中、急に手を離すので尻もちをついてしまった。 急に、何して!!? 「…ぉ…お母さん?」 文句を言ってやろうと思えば、お母さんは私の前で何かから守るようにかばうように立っていた。 そして、何故か何もない空中を睨みつけている。 どうしたの? お母さんからはピリピリとした緊張感も感じられた。不可解な行動に戸惑っていると―――刹那。 誰かが私とお母さんの視界に飛び出した。 何かを殴るような動作を2、3度繰り返す。 何をしてるかと思えば、こちらを振り向いた。 「大丈夫か?」
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加