627人が本棚に入れています
本棚に追加
「お母さん!どうしたの?」
「な…何もないわよ。」
そう言うけど、どこか苦しそう。
いや、どちらかと言えば表情が暗い。
本当に大丈夫かな?
「満月――?!」
―――え?
いきなり襟首を引っ張られる。
途中、急に手を離すので尻もちをついてしまった。
急に、何して!!?
「…ぉ…お母さん?」
文句を言ってやろうと思えば、お母さんは私の前で何かから守るようにかばうように立っていた。
そして、何故か何もない空中を睨みつけている。
どうしたの?
お母さんからはピリピリとした緊張感も感じられた。不可解な行動に戸惑っていると―――刹那。
誰かが私とお母さんの視界に飛び出した。
何かを殴るような動作を2、3度繰り返す。
何をしてるかと思えば、こちらを振り向いた。
「大丈夫か?」
最初のコメントを投稿しよう!