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「えぇ、ありがとう。おかげで助かったわ。」
お母さんが、目の前にいる少年に目を向けた。
彼の目は紅く、初めて見るそれに驚くが不気味さや嫌悪感などは感じさせなかった。
「ねぇ、お母さん。」
「満月、どうしたの?」
「大丈夫って何が?どういうこと?」
意味分かんないよ。
一体、なんかあったの?
「さっき、この人が空中をパンチしてたおかしな光景なら見たけど…。」
「………。」
思わず少年を指差してしまい睨まれてしまった。
「指差しちゃだめでしょ。あと…それは、おばあちゃんの家についたら教えてあげる。」
「うん、分かった。」
その言葉に、やっぱり何かあったのかなと確信をもつ。
幽霊でも見えたとか…だったり。
私は指を下ろすと彼を見たがもう睨まれはしなかった。
彼はただ、無愛想に明後日の方を向いていたから。
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