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うわぁ…おばあちゃん家ってここ!?
境内に入り私はその広さに愕然としていた。
お母さんの話では、おばあちゃんは巫の仕事をしているらしい。
巫ってどんな仕事?
疑問に思ったけど、お母さんがおばあちゃんのことを話すのが嫌そうに見えて、それ以上おばあちゃんのことは聞かなかった。
玄関へ入ると優しそうな老女がいた。
「久しぶりね、由美。」
由美とはお母さんの名だ。
もしかして…
この人が?
「えぇ、そうね…お母さん。」
やっぱり、そうなんだ。
私は、感慨にふけながら自分の祖母にあたる老女を見た。
お母さんが、私を連れここに行くことを決めたのは、父親との離婚が原因だ。
それが無かったら、ここにくるつもりはなかったと思う。
おばあちゃんと喧嘩したのかな?
なんて始めは帰郷しない理由にそう考えていたけど。
今の会話からでは、お母さんが一方的におばあちゃんを嫌ってるって感じだった。
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