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ある一室に入ると、お母さんとおばあちゃんが対峙するように座っていた。
「満月、私の隣に座りなさい。」
「う…ん。」
言われるままに座ると、紅い目の少年はおばあちゃんの近くに私達と向き合うように座っていた。
よく見ると他にも4人の少年がいた。
「由美…分かっていますね?」
「えぇ、今日より私は『かぐや姫』として懸命に務めます。」
「か…かぐや姫?それって、あの竹取物語に出てくる?」
「…違うと言えば違うし、そうと言えばそうよ。」
私の疑問にお母さんが答えてくれたけど、余計分からなくなった。
「ふふ、その『かぐや姫』とはね…この土地にいるカミ様が妖にならないように管理する者のことを言うのよ。」
とおばあちゃんが言う。
カミ様?妖?
そんなものがこの世にいるの?
小説の中だけじゃないの?
「そんな…まさか。」
「…本当よ。今日、あなたがあの少年の不可解な行動について尋ねていたでしょう?あれは、カミ様が妖になって襲ってきたから助けてくれたのよ。そして常世に帰ってもらったの。」
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