第二章.月神村

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「……もぉ。」 何なのよ。 と心の中で呟き学校へと足を進める。 その呟きは私の周りにいる人達のおかげ。 「チッ、何で俺が朝早く起きてこいつを起こさなきゃいけねぇんだよ。」 「棗。かぐや姫の命だろ。」 孤村陽一がそう呟くと鴉取棗はいまいましいように舌打ちをする。 何なの…アイツ… 気がさわるようなことばっかして。 そもそも、何故こんなことになったのか… それはお母さんの“おかげ” というのは正しくなくてお母さんの“せい”だ。 朝、彼らを呼びつけて 「今日から満月のために学校までの送り迎えをして欲しいの。」 なんて言ったせい。 どこぞのお嬢様じゃないんだから、そんなボディーガード役みたいなのはいらないのに。 お母さんは、何を考えているんだろう…? 「おーい、満月!」
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