それからの俺達

7/10
7138人が本棚に入れています
本棚に追加
/337ページ
その言葉に私は何も感じなかった、だって私の母様はまだ″何人″も居る、一人減ったところでどうも感じない 冷たいだろうか?冷たいから私は何も言わないのだろう、わたしには手を握りしめることだけだった 食事が終われば片付けるものだ、いつも通りに私も手伝う、私が暗い顔をしているとその両脇を父さん達二人が挟む 「暗い顔だなぁ、アル、まぁたキャシーになんか言われたのか?」 「我々が散々注意してもあの性分は直らん、もはやあの子はあの性格のままだ、スルーしろ、それが駄目なら別に家を建てても構わん、いくらでも金は出そう」 「ジョンがこれだけ言うんだ、ホントに良いんだぜ?」 「…ふふふ、大丈夫です、父さん達は心配し過ぎです、ていうか、私が別居したら父さん達は大丈夫なのですか?」 にこぉ、と笑いかけると、二人はずぅーんと暗い顔になる、今のままでは新しくお手伝いを雇うことになるだろう ほほほ、と高笑いしながら私は自分の部屋へと帰ることにした 私の部屋の横はキャシーの部屋だ、私が部屋に帰るときには確実にその前を通ることになる 彼女はどうにも私を待ち伏せしていたようで、私の部屋の扉の前で仁王立ちしていた 「キャシー、退いてくれない?」 「いい気になるな、アルメリア、お前は魔法の適性があったからそうやってみんなからちやほやされてるんだ、無かったらお前はただの使えない奴だ」 「そんな言葉、いつも言ってたじゃないですか、飽きないんですね、キャシー」 「調子に乗んなって言ってんだよ、それくらいわかれよ」
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!