因縁 ~再会~

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「フレイルさん!!」 ルエはフレイルと詩鴇が宿泊している部屋に駆け込んだ。 「どうかしましたか?」 「吸血鬼らしき人影が見えたんです!!」 「なにっ…!?」 フレイルはベッドから飛び起きた。 「どっちだ!?」 「あ…、向こうの教会です…。」 「分かった!!」 フレイルはベッドの横に立て掛けておいた太刀を背負うと、窓を開けて飛び降りた。 「フレイル!! カナルフィ、ルエ!! 追いますよ!!」 「了解!!」 「は、はい!!」 詩鴇も立て続けに窓から飛び降りた。 「あ、ウ、ウタさん…!!」 「ルエ、掴まって!!」 カナルフィがルエを抱えると、続いて窓から飛び降りた。 「ぅわっ…!!」 「ったく、あの単細胞!! いつも勝手に動くんだから!!」 「え? 勝手にって…!?」 「あんにゃろ~!! 仕事 終わったら覚悟してなさいよぉー!!」 一方、単独で飛び出したフレイル。 教会に近付くにつれ、胸が痛み、表情も険しくなっていく。 「っ…!! この痛み、間違いねぇ…!!」 教会近くの建物の屋根にブレーキを掛ける様に着地し、辺りを見回す。 ― どこだ…!? どこにいやがる!? 「ここだよ、フレイル。」 背後から声が聞こえた。 「!!」 フレイルは咄嗟に背負っていた太刀の柄に手を掛け、振り向く。 が、姿がない。 「ここだよ、ここ。」 また背後から声が聞こえる。 「…お遊びも程々にしやがれ…!」 「アハハ! 怒ってる怒ってる!」 姿なき者はフレイルを馬鹿にする様に笑う。 「そこにいるのは分かってんだよ!!」 フレイルは教会の屋根に向かって太刀の切っ先を向ける。 が、その先には誰もいない。 「まだ“透明化(クリア)”を使って人を騙してやがんのか? 生憎だが、もう それは俺には通用しねぇよ。」 「…ちぇ。つまんないなぁー。」 姿なき人物がつまらなそうに そう言う。 その直後。 白い光の塵が突如 何もない筈の空間から流れ始めた。 次第に光の塵は量を増し、そして徐々に人の姿を現す。
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