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「ウタには関係ない。下がってろ。」
「理由になりませんね。正当な理由がなければ、私は下がりませんよ。」
「面倒くせぇ奴…。アイツは、俺と ちょっとした因縁があってな。」
「因縁?」
「ああ。アイツは…。」
雲に隠れていた月が顔を出し、月明かりが青年の素顔を照らし出す。
青年の素顔が見えた時、詩鴇は驚愕する。
「貴方は…!!」
「フレイル、ウタ!!」
追い付いたカナルフィは、抱えていたルエを降ろす。
「何があって…!」
「カナちゃん、あの人…。」
「え?」
カナルフィも青年に目を向け、言葉を失う。
「う…そ…!」
青年の顔立ち。
髪の色。
オッドアイの瞳の色。
その全てが、フレイルと全く一緒だった。
「初めまして、協会の皆さん。俺の名前はフレイヤ。フレイルの双子の弟だよ。」
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