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「フレイル!!」
詩鴇は抜刀し、フレイルの元に駆け付けようとする。
「邪魔しないでよ。」
フレイヤが指を鳴らして合図すると、人の形をした“闇”側の吸血鬼が建物の屋根を突き破って現れた。
数は20以上。
「!!」
「そいつ等 やっちゃってー。」
『はっ!!』
吸血鬼達が詩鴇に襲いかかる。
「くっ…!!」
詩鴇は刀で吸血鬼達を斬っていく。
「ウタ!!」
「余所見しないでよ!!」
フレイヤの猛攻は止まる事なく、フレイルに襲いかかる。
「ちっ…!!」
「仲間の心配するより、先ずは自分の心配でもしたらどうなのさぁ!! フレイル兄さん!!!」
大きく振り上げた剣が、フレイルに振り下ろされる。
刃はフレイルの左腕を掠めた。
「っ…!!」
「フレイルさん!!」
傷を負ったフレイルを見て、ルエはカナルフィから離れる。
「ルエ、駄目!! 私から離れたら…!!」
フレイルの元に駆け付けようとしたルエの前に、数人の吸血鬼が立ちはだかる。
「!」
『お前 人間か。こりゃ旨そうだ!!』
吸血鬼がルエに飛び掛かる。
「っ…!」
ルエが目を瞑った刹那だった。
『ギャアアアアアア!!!』
吸血鬼の悲鳴が聞こえた。
「…?」
恐る恐る目を開くと、真っ黒焦げになり、灰になった吸血鬼の姿が目に飛び込んできた。
「これは…?」
「大丈夫!? ルエ!!」
「カナちゃん…!」
振り向くと、カナルフィの右手からは炎が出ていた。
「離れちゃ駄目よ。こうゆう目に遭うから。」
「ゴ、ゴメン…。でも、フレイルさんが…。」
目を教会の方に向けると、フレイルとフレイヤの戦いは まだ続いていた。
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