因縁 ~闇に堕ちた者~

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ルエはキッとフレイヤを睨む。 「…!」 その時、フレイヤが止まった。 「キミ…!」 フレイヤは目を丸くして、驚いている。 「…?」 「なんで こんな所にいるんだ…!?」 フレイヤは手を放し、ヨロリとルエから離れる。 そしてルエに向かい、膝まづいた。 「何っ…!?」 「ルエから離れろぉ!!!」 フレイルがフレイヤに向かって斬りかかる。 直前のところでフレイヤは刃をかわす。 「へぇ、“今”はルエなんだぁ。じゃあ、暫くは そう呼ばせてもらうよ。」 そう言うと、フレイヤは身を光の塵で覆い、そして一瞬 強く照った閃光と共に姿を消した。 「何だ…!? アイツ…!」 「フレイル…さん…。」 ルエに目を向けると、ルエの手と声が震えていた。 「どうした!? 何かされたのか!?」 「違うん…です…! さっき あの人、“今はルエなんだ”って…! “今は”って、何なんですか…!?」 「ルエ、アイツが言った事は忘れ…。」 「忘れられないんです! それに、何故あの人はボクに向かって膝まづいたんですか!? ボクは一体 何なんですか!?」 フレイルが残した言葉により、ルエは段々 混乱していく。 「ボクって、一体 何…。」 ルエが崩れる様に倒れた。 「ルエ!!」 地面に倒れ込む寸前、フレイルが咄嗟にルエを抱える。 「大丈夫なの!?」 「ああ、気絶してるだけだ。ただ…。」 「ただ?」 「後遺症は、重そうだ。」
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