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どうやらまた『人狩り』が発生したらしい。 バグの発生と共に人狩りの発生は今まで無かったのだが… 「やっぱり無くならなかったな」 「あぁ」 元々人狩りが無くなる訳が無いんだ。人狩りというのは『現象』だ。 バグを使う人が被災者となる確率が圧倒的に多い。そのことを世界が認定し、バグの使用を制限しただけなんだから。減っていたのが謎な位だ。 「さて、トーマ行くぞ。」 僕は、レオンに呼ばれて人狩りの処理へと向かった。   …   そこは何も無い荒野だった。最近までは村があった。 「処理なんて…どうしようもないじゃないか。」 レオンは以前の村にあった工場の辺りに出来ている空洞を見て言った。 「こんな被害を見るのは初めてだ。」 ところが、1人の生存者を発見した。人狩りが発生したのに… 初めての生存者だ。 この少女に意識は無いが、生きているのは確かだ。これは、奇跡だ。   人狩りの全貌がわかるかもしれない。   黒い短い髪のどこにでもいるような少女。 「なぁ…レオン,これって、」 「気をつけろ。」 レオンはトーマに言った。 長い刀を持った男。異常な空気が彼を包んでいる。 「あれが…人狩りなのか?」 違う。人狩りの跡地には『凶暴な人の形をした生き物』が現れることがあるらしい。 それは人では無く、魔物と呼ばれる。 レオンは、少女を守るように構えている。トーマは、男へと歩み出した。 … … 私が目を覚ました時には、知らない部屋の中にいた。大きな部屋。大きな窓。外を見てみて驚いた。 「お城!?」 私の村の近くにある大きなお城。そのお城の中に私がいるのだ! 「うおッ!やっと起きたか。」 なんだか私より驚いていた。 黒い髪に黒い瞳。白い服を羽織っていた。 「どこか痛んだりしないか?」 私は首を横に振った。 「そんなわけ無いだろ。」 言われて気付いたけど、腕に擦り傷があった。 「それだけで済んでよかった」 そう言うと彼は難しい顔を崩した。 「落ち着くまでゆっくりしてくれ。」 そう言って部屋から出ていった。部屋に上着を残したまま。どうやら彼は医者らしい。だから、起きるまで様子を診ていたのだろう。 そういえば 「落ち着くまでって…どういうことなんだろ?」 私は、庭にある花畑を眺めることにした。
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