キョンの家にて

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時は経ち、晩飯時。 古泉、朝比奈さん、長門が帰っていったが、ハルヒはまだ残っていた。 「こら、キョン!寝ちゃダメでしょ!」 ……うるさいな、考えていたからちょっと目をつぶっただけだよ。 「へぇ…ならこの問題の答えを言ってごらんよ。」 ……俺が悪かった、寝てたよ…… 俺の親から家庭教師を任されたハルヒが目の前にいる。 ……やれやれ…… この事態が急激変わるのは、休憩時間のことだった。 「ねぇねぇ、キョンはさぁ……女と付き合ったこと……ある……?」 いきなりハルヒが尋ねてきた。 「……ないなぁ……ってかいきなりなんだよ、その質問は……」 「べっ別にわたしはその気はないわ!……ただ気になっただけだから……」 「……あっ、そう……」 しばらく沈黙が続く。そして、この沈黙を打ち破ったハルヒの一言で、俺の思考回路はパンクすることになる。 「……キョン……わたしと……付き合って……」 ハルヒが赤面している……初めて見る…… 「……えっ……?」 「だっだから、つっつっ付き合ってって言ってるじゃない!」 照れ隠しするように言った。 「わかったから黙れ……いきなりなんだよ、付き合えって……」 「だって……わたし……キョンことが……」 最後の方が聞き取れなかった。 ハルヒの顔が赤くなってゆく。 「な、なんだって?」 「だから、わたしはキョンのことが好きなのよっ!!」 この言葉を聞いた瞬間、俺の思考回路はショートした。 俺は、ハルヒの言葉に合う返事をした。 今でも後悔はしていない。 「実は……俺も好きなんだ……」     それ以来、一緒に登下校をしているのは言うまでもない。 ……後ろから谷口の殺気を感じるのは気のせいだろうか?
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