第一章

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第一章

 暇を持て余した彼女は今日も何時もの様に“男”に成り済まし、変わらぬ町へと繰り出していく。  しかし、どんなに“男らしく”していても“女”でたる彼女が完全な“男”になれる訳じゃない。  完全な“男”に勝てる訳もなく、だからと言って 今更“女”にも戻れる訳もない。 (でも、たとえ“女”に戻っても・・・つまらないだろう?)  所詮この世は何ら楽しさの欠片もない、長い長い暇潰し。 (こんなにも中途半端なこの俺に、一体何が出来るんだ?) (一体なにを・・・やれと言うんだろうな?)
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