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「マルティス、お願い。」
ニーナはマルティスを前に出し、マルティスは何を話していいかわからず、困った顔をしていた。
「え~…マルティスです。
今日は臨時講師として頑張りますのでよろしく。
今日は特に何をするとかは無いんで、各自わからない事があったら呼んで下さい。」
マルティスはとりあえず挨拶を済ませ、それぞれの指導に当たった。
「マルティス先生!!」
「なんだ?」
「先生こっちも!!」
「あいよ!!」
マルティスは授業中ひっきりなしに生徒に呼ばれ続け、授業が終わる頃にはぐったりしていた。
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
ニーナは授業が終わり、生徒達が引き上げていく闘技場でぐったりと座り込むマルティスにタオルを渡して隣に座った。
「今日呼び出しだって?」
「あぁ…」
マルティスはタオルで汗を拭きながら答える。
「何かあったの?」
「まぁな、最近少し変なんだよ。」
「何が変なのよ。」
ニーナの問いにマルティスが腕を組んで目を瞑って唸る。
「上手くは言え無いが、魔物の動きが変なんだよ。」
「動き?」
ニーナが怪訝な顔をした。
「そう、襲って来たかと思うとしばらく戦ったら直ぐに引いて行くし、普段は大人しい魔物が突然暴れ出したりするんだ。」
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