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レアナは知っている。
今は戦線を離脱しているが、以前は共に戦っていた仲間。
あの二人の本気がどんな物か。
ミナリアはエルフの王族の血を引くエルフの中でも突出した力を持つ。
マルティスはセルレイと肩を並べる強者。
「…では、私はセルレイの試合があるので、観に行って来ますね」
レアナはそれだけ言い残して医務室を出て行った。
「後で、ミナリアさんとマルティスにお礼を言いに行かなきゃいけませんね」
レアナはそう呟く。
今回のことはセルレイでは無く、自分と両親の問題であるとわかっているから。
セルレイが確かに甘やかした。
しかし、セルレイは愛情を知らない。
ならばその愛情を正さなければならないのは、自分、そしてリミナとグレイだった。
レアナが観客席に戻ると同時に試合は始まり、レアナはセルレイを探す。
案外セルレイは簡単に見付かり、レアナの視線は対戦相手に移る。
セルレイの対戦相手は中年男で、体は引き締まっていて、身長はセルレイと同じ位だった。
――
「…もう試合は始まってるぞ?」
セルレイは大剣を抜かずに未だに動かない男を見据える。
男はセルレイの出方を伺いながら詠唱を唱える。
(…こいつが…銀髪の破壊神…)
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