3968人が本棚に入れています
本棚に追加
「な…にするん…だ」
「お仕置きです!!」
咳き込むセルレイに対してレアナはピシャリと言い放ち、セルレイは溜め息を吐く。
「俺はお仕置きされるようなこと…」
「しました!!」
「何…」
「試合を途中で投げました!!」
「あれは試合じゃ…」
「例え試験でも試合は試合です!!」
レアナはセルレイの言い訳を全て潰し、フンッと鼻を鳴らす。
「…セルレイ。あなたは悪く無いんです。
だからそんなにいじけないで下さい」
レアナは先程とは一変、優しい声で諭すようにセルレイに語り掛ける。
が、セルレイはそっぽを向く。
「いじけてなんかいない」
「セ~ル~レ~イ…私を騙せると思わないで下さいね?
セルレイは嘘が下手なんですから」
レアナは悪戯な笑みを浮かべ、セルレイに詰め寄りセルレイはたじろぐ。
「…何で俺が悪く無い?」
セルレイは諦めた。
「悪いのは私達です。
全部セルレイに任せ、私達は静観してました。
セルレイは良かれと思ってやったこと。
だから、あんまりいじけないで下さい」
レアナは微笑み、それに釣られてセルレイの頬も緩む。
「レアナにはかなわないな…」
セルレイは踵を返し、また歩き出す。
レアナもセルレイと並んで歩く。
最初のコメントを投稿しよう!