第十四章 二次試験

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「な…にするん…だ」 「お仕置きです!!」 咳き込むセルレイに対してレアナはピシャリと言い放ち、セルレイは溜め息を吐く。 「俺はお仕置きされるようなこと…」 「しました!!」 「何…」 「試合を途中で投げました!!」 「あれは試合じゃ…」 「例え試験でも試合は試合です!!」 レアナはセルレイの言い訳を全て潰し、フンッと鼻を鳴らす。 「…セルレイ。あなたは悪く無いんです。 だからそんなにいじけないで下さい」 レアナは先程とは一変、優しい声で諭すようにセルレイに語り掛ける。 が、セルレイはそっぽを向く。 「いじけてなんかいない」 「セ~ル~レ~イ…私を騙せると思わないで下さいね? セルレイは嘘が下手なんですから」 レアナは悪戯な笑みを浮かべ、セルレイに詰め寄りセルレイはたじろぐ。 「…何で俺が悪く無い?」 セルレイは諦めた。 「悪いのは私達です。 全部セルレイに任せ、私達は静観してました。 セルレイは良かれと思ってやったこと。 だから、あんまりいじけないで下さい」 レアナは微笑み、それに釣られてセルレイの頬も緩む。 「レアナにはかなわないな…」 セルレイは踵を返し、また歩き出す。 レアナもセルレイと並んで歩く。
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