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「これで、あと10個か…。」 拓也は愛車のハーレーに跨がり、ある場所へと向かった。 東京のとある雑居ビルの前に止まり、そこの5Fに入っていった。 「おやっさん、傷の手当てをしてくれないか?」 拓也がおやっさんと言ったのは、2年前に濡れ絹を着せられて、病院から解雇されたベテラン医師だ。この不景気で、何処の病院も雇ってくれなくて、公園を彷徨っている所を拓也が見つけたのだ。いや、正確にはそのベテランの医師の情報を聞いた拓也が探しに行った、と言ったほうが賢明だろう…。
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