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「なんだ、今回はたいして怪我をしてないじゃんか。」
「まぁ今回のは規模が小さくて、まだ拳銃などをほとんど持っていなかったからね。」
「じゃあこの傷は?」
「相手に抵抗がなさすぎて、勢い余ってこけた時についた傷。」
やれやれ、と呟き、テキパキと処置をした。
「全治3日、あんたなら2日もあればかさぶたすら残らないだろうよ。」
「ありがとう。金は毎月ここで手渡しすればいいんだったよな?」
「あぁ、それで頼む。」
「でもいいのか?あの金をホームレスの仲間とわけあっても?あれだけあればマンションの1室くらい借りれるぞ?」
「いいんだよ。彷徨っている俺を快く仲間に入れてくれたんだ。みんな1室ずつ、ってほど金はないんだからな。俺だけ抜け駆けは裏切った気持ちになるしな。」
「ふっ…。そういう優しい心に俺は惚れ込んだんだな。」
そういって、その雑居ビルを後にした。
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