62人が本棚に入れています
本棚に追加
――此処はグランティア城…
その城内は、主に白を基調とし、天井では大きなシャンデリアが煌めいていて、とても優美なものだった。
城内では、多くの金持ちと見られる人々が豪華な食べ物を食べつつ、ワイン片手に会話を楽しんでいる。
そんな人の多い所で一際女性の人口密度が多い所があった。
「ご婚約おめでとうございますわ!!」
「あ、あの、これ、お祝いの品ですっ良かったらどうぞっ…」
金持ちの娘らがわらわらと集まる中心には、一人の青年がいた。
「ああ、どうも有り難う。」
青年はにこりと微笑み、お祝いの言葉や品をくれた女性らに言った。
キャー-!!
彼が一つ笑顔を見せればそれだけで黄色い声が飛びかう。
それほどまでも彼は魅力的だった。
彼の名はルーク=アストレイ。レオンバルト帝国の第1皇子で今回の婚約パーティーの主人公の一人だ。
輝く濃い金髪に染み一つない白い肌を持つ中性的な顔立ち。
そして、深い紫の目。
容姿だけでなく、老若男女全てに優しく、とても紳士的だと各国で評判だった。
「…ルーク様…ちょっと…」
「……なんだ?」
「…アルヴァス様が話があるから来いとのことです…。」
「……分かった。今行く。」
彼の側近が用件を話終えると、彼の笑顔が消えた。
しかしそれは一瞬の事。
直ぐに笑顔を作り、彼に話し掛けて来る者達に一言伝えて、ルークはその場を去っていった。
.
最初のコメントを投稿しよう!