第1章―政略結婚―

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ルークは一先ず大広間に戻った。 「あ、ルーク様!」 「ティアナ王女。」 碧い髪を靡かせ、小走りに近付いて来たのは、今夜婚約者となるティアナ王女だった。 「もう、ルーク様。いつもティアナとお呼び下さいませと言ってますのに…。それに、」 今夜婚約するのですから。 とティアナは付け足す。 「ああ、済まない。」 だが、それがルークとティアナの心の距離を示すもの、だ。 ティアナが嫌いというわけではない。寧ろ好きの部類に入るだろう。 だがそれ以上でもそれ以下でもない。 そんな気持ちでこのまま結婚へと進めていいわけない。 ティアナはどう思っているのだろうか。 「ティアナ…王女。貴女はこの婚約をどうお思いになりますか。」 「……私はこの婚約で、両国の仲が安泰となるならば、とても嬉しく思いますわ。それにルーク様の事をお慕いしていますもの。……ルーク様こそ、どうお思いになるのです」 続く∇
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