35人が本棚に入れています
本棚に追加
「完璧に近い奴程、心が読めん。」
「…お知り合いにそういう人でもいらっしゃるんですか?」
先生は更に眉間にシワを寄せた。
「…旧友でな…残念ながらこの学校に居る。」
『ええー!?』
何故、“残念ながら”なのだろう。
「誰なんですか!?」
「…紫雲 雷輝(シウン ライキ)。今年からこの学年の現国担当だ。」
紫雲 雷輝…
名前だけは聞いたことはある。
無駄にカッコイい名前だなーと思った。
「…先生、その人の事…嫌い?」
「嫌いというか…面倒臭いな。」
先生は本当に嫌そうな顔で溜め息をついた。
「へぇ~何か現国ドキドキしてきた。」
「…まぁ、授業は私よりは優しいだろう。」
「あ、自分で厳しいって分かってるんだ。」
確かに如月先生は授業中は厳しい先生だけど…
今みたいに授業以外では優しい人。
それにはちょっとビックリしたけど。
「昔から言われ続けているからな。」
先生はどこか少し大人の魅力を醸し出す意地悪な笑みを見せた。
「…ちょっとは優しくして下さいよ。」
「無理だな。」
「ケチ!!鬼!!」
「こら花火、先生に向かって…」
私達もすっかり仲良くなってしまい、お腹の音が鳴るまで雑談で盛り上がった。
最初のコメントを投稿しよう!