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「出来たー!!」
「完成か。」
我ながら可愛く出来上がった委員会表を花火が高く掲げた。
「あ、私たち身長低いんで、先生が後ろに貼ってくれませんか?」
「あぁ。」
正直ここしか出番がない先生はすんなり承諾し、後ろの掲示板に画鋲で貼り付けてくれた。
「あーお腹すいた。」
「あ、そう言えばお昼まだだもんね。帰りに食べて帰ろっか。」
「賛成~。」
散らかった机の上を片付け、鞄に荷物を詰めて肩に掛けた。
「あまり寄り道せずに帰るんだぞ。」
「あははっ、小学生じゃないんだから。」
「あ、先生。下まで一緒に行きましょう?」
「あぁ。」
先生は持ってきたダンボールを抱えて教室の電気を消して戸締まりをした。
「あれ、まだ生徒残ってたのか?」
教室からでてすぐ男の人の声が聞こえ、私たちはそっちを向いた。
「ってあらま、鏡ちゃん。」
「ッ…紫雲…」
え、もしかしてこの人が?
如月先生に名前を呼ばれた人は、如月先生より少し若い男の人で…
サラサラで少しクセのある黒髪に、紫にも見える黒い瞳をフレームのない眼鏡の奥で光らせている。
中年の男の人にしては格好いいカモ…
「女の子2人と何してたワケさ。」
紫雲先生はニヤニヤしながら近付いてきた。
「…委員会の表を作ってもらっていただけだ。」
「ああ、鏡って不器用だもんな。」
紫雲先生はケラケラ笑って如月先生をバカにした。
「…そう言う貴様は何をしていたんだ。」
先生の声が更に低くなった。
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