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「私が今日から君たちの担任だ…」
低く透き通った声が教室に響いた。
「すげ…顔恐っ…」
「あの髪、目…本物?」
「カツラみたいな色…」
白髪と言うか、銀といったらいいのか
光の当たり具合によって輝く綺麗な髪。
その髪に合わせて冷たく光る銀色の瞳。
眉は太くキリッとしていて
眉間には常にシワが寄っていた。
49歳(独身)
如月 鏡 (キサラギ キョウ)
教室に入ってきたその人に私は目が離せなくなっていた。
「私語は慎むように…これから始業式だ。速やかに体育館に移動し、出席番号順に並ぶよう。」
先生はそれだけ言うと、サッサと教室から出て行ってしまった。
「……怖そうな人…」
「ねぇ、凛。凛?」
「え?な、何!?」
私は友達に呼ばれ、振り向いた。
「すごいね、あの人。」
「あ、うん…厳しそうだね。」
「違うよ、見た目!!あんな色の目初めて見たよ。」
私も初めて見たよ。
でも、見た目もだけど…
あの人の瞳の奥の何かが気になった。
「ほら凛、体育館行くよ。」
「あ、うん。」
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