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先生の後に付いていくと、職員室の前に並べられたプリントの束を渡された。
「重っ…」
「え、何なんですかコレ。」
「私語をした罰だ。教室に運べ。」
また更にプリントの束を乗せられた。
「か弱い女子生徒にこんなの運ばせるんですか!!」
花火がヨロヨロしながら背中を向ける先生に叫んだ。
「コレを運ぶよりはマシだろう。」
先生の両手には新しい教科書の束。
明らかにプリントより重い、分厚い教科書だ。
「…ですね。」
先生はフッと鼻で笑い、軽々と教科書を持って先に行ってしまった。
「…何、今のフッて。鼻で笑われたの?私たち。」
「…みたいね。」
重いプリントを持って、先生の何メートルか後ろをゆっくり歩き出した。
「はぁ…これがキッカケでこき使われそう…」
「まぁまぁ、ジョージさんにこき使われてると思いなよ。」
「ジョージなら許す。」
「単純だなぁ、花火は。」
教室に着いて、教卓の上にプリントを置いた。
「あー疲れた!!」
「一年じゃなくて良かったよ。」
一年生の教室は校舎の四階にある。
つまり最上階だからだ。
「はー、座ろ座ろ~」
「待て。」
「う~…まだ何か…?」
スゴく嫌そうな顔をしている花火を見て、先生は溜め息をついた。
「…プリントを配るのを手伝って貰いたい。」
今度は命令口調ではなく、お願いだった。
「早く帰りたいのだろう?」
「あ…はい!!」
花火はその言葉を聞いてパッと明るくなり、プリントを素早く配っていった。
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