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「どうしてあんなに悲しそうなのかしら…」
「え?誰が?」
「あ…いや、何でもない。」
花火とプリントを見ながら話していると、またあの低い声が響いた。
「静かにしろ。」
この教室にはあの人ほど低くて渋い声の生徒はいないから、すぐに耳に入る。
「これから委員長、副委員長を決めたい。誰か立候補者は居ないか。」
誰も手を上げない。
私だって委員長なんかしたくないし。
まずリーダーなんて性に合わないもの。
「居ないのか?」
誰か手を上げてよ…推薦とかになったら厄介じゃない。
「…居ないのなら私が決めるぞ。」
あれ、推薦飛ばしちゃった。
「ね、凛…すごい嫌な予感がするんだけど。」
「え?」
花火が後ろから小声で耳打ちをした時、先生の目がこっちに向いた。
「ッ!!」
「西島、根本。お前達がやれ。」
「あちゃー…」
「え…ええええ!?何で私たちが!? 」
思わず私は立ち上がり、机を叩いた。
「えーではない、あいにく私はお前達くらいしか使える者は知らないのでな。そう仕事は押し付けはしない…どうだ?」
どうだ?と言われても…
委員長なんて面倒くさい!!
「なっ…そ…そんな事言われても……は、花火ぃ~」
「うーん…私やってみてもいいかも。」
「えー!?な、何で!?」
「いい経験になるし、受験にプラスになるしさ。凛が委員長やりなよ、私副委員長やるから。」
「決まりだな。」
「えっ!!??」
勝手に決められたし!!
私の意見も聞いてよ!!
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