35人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと先生!!」
「まぁまぁ凛ちゃん座って座って。」
花火に無理やり椅子に座らされ、先生も私を無視して他の委員の方に移った。
「あー…最悪…委員長とかムリだって…」
「大丈夫!!私が付いてる!!」
「やだぁ…私図書とか地味なのでいい…」
机にうなだれ、腕もだらんとたらした。
本当に最悪。
こういう責任重大な仕事なんて出来ないよ…
他の委員会も人が決まり、プリントの説明や明日の時間割など教えて貰って今日の授業は終了。
掃除はなしでみんなサッサと帰って行ってしまった。
私と花火は先生に呼び止められ、教室に残っていた。
「…ねぇ、先生どこに行ったの?」
「さぁ、ここで待っていろ…としか聞いてないし。」
花火のヘタクソな先生の物真似を見て笑っていたら、先生がダンボール箱を持って帰ってきた。
「さっそく仕事だ。」
「…色画用紙…?」
ダンボール箱の中には、カラフルな色画用紙とハサミ、マジックにノリが入っていた。
「今日決まった委員会の表を作って欲しい。」
「…な、何か意外ですね…」
先生なら普通の紙に表を書いて、後ろの掲示板の端っこに貼ってるイメージがあった。
「前の学校で生徒に味気ないと言われてな。」
「なら先生が作ればいいのに。」
「……工作は苦手だ。」
しかめっ面になって恥ずかしそうに小さな声で呟いた。
そんな先生が可愛く思え、私と花火は顔を見合わせて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!