ACT2. 人生初めての恋が訪れる日

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   そうそう。  さっき、両親が居ないって言ったけど、その事を一度も大変なんて思った事が無い。  それは、アニキが何時も俺の親代わりで居てくれたから。  だから、皆は面倒だという食事当番だって苦じゃなかった。  完璧な兄の唯一の欠点とも言える料理は、幸い俺が得意だったから、役に立てるように頑張った。だから何時も夕食の当番は、俺の担当ってワケ。  サッカーの練習終わって、へとへとになった部活からの帰りでも、スーパーに寄って食材見てると、アニキが喜ぶもの作ってやろう、と元気になるから不思議だ。  アニキが居たから、何時だって頑張れたんだな。  ホント、そう思う。  けど、そんなアニキも、俺の知らない所でオンナと付き合ってたのか。まあ、顔はいいからな。俺に似て(?)。  付き合ってるだけでも驚きだけど、まさか結婚考えてるなんてな。知らなかった。  そんな大事にしてるオンナが居たなら、もっと早く話くらいしてくれたっていいのに。  
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