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「さっき珈琲マズイって言ってたけど、貴方珈琲好き? 結構、珈琲の味が解る人だとみたけど、どうかな?」
「ハイ、好きですね。家で毎日美味しい珈琲飲んでるから、ヘタに外じゃ飲めなくて」
「へぇ! 私もそうなの。カレが、とっても美味しい珈琲を何時も淹れてくれるから、舌が肥えちゃって」
そして優雅に微笑むオネイサン。
あぁ~・・・・もう、ドキドキしっぱなしなんですけど!
「ホテルの珈琲だから、期待してたんだけどなぁ。カレの珈琲の方が、全然美味しいわ」
カレ、という2文字に、心が痛む。
どうした俺の心よ。
オンナに何を言われても動じなかったお前が、今、何故初対面の女性の何気ない言葉に、瀕死のダメージを喰らっている?
このダメージ、かなり痛いぞ。
俺は平静を装って、ウンウン、と頷いた。
「カレシさんと、仲良いんですね」
「ウン、そうなんだぁ~! 昨日すっごく嬉しい事言われちゃって・・・・今、すごく幸せなの!」
彼女の笑顔がまぶしい。
キラキラしている。
くそ――!!
何かムカつく!!
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