ACT2. 人生初めての恋が訪れる日

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  「さっき珈琲マズイって言ってたけど、貴方珈琲好き? 結構、珈琲の味が解る人だとみたけど、どうかな?」 「ハイ、好きですね。家で毎日美味しい珈琲飲んでるから、ヘタに外じゃ飲めなくて」 「へぇ! 私もそうなの。カレが、とっても美味しい珈琲を何時も淹れてくれるから、舌が肥えちゃって」  そして優雅に微笑むオネイサン。  あぁ~・・・・もう、ドキドキしっぱなしなんですけど! 「ホテルの珈琲だから、期待してたんだけどなぁ。カレの珈琲の方が、全然美味しいわ」  カレ、という2文字に、心が痛む。  どうした俺の心よ。  オンナに何を言われても動じなかったお前が、今、何故初対面の女性の何気ない言葉に、瀕死のダメージを喰らっている? このダメージ、かなり痛いぞ。  俺は平静を装って、ウンウン、と頷いた。 「カレシさんと、仲良いんですね」 「ウン、そうなんだぁ~! 昨日すっごく嬉しい事言われちゃって・・・・今、すごく幸せなの!」  彼女の笑顔がまぶしい。  キラキラしている。  くそ――!!  何かムカつく!!
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