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「誠クンのコトは、雅之さんから、色々聞いてるわ。とっても大事にしてる弟が居るって! 貴方が誠クンなのね。逢いたかったわ。雅之さんたら、幾ら頼んでも貴方に逢わせてくれなかったのよ。『マコは絶対、お前に惚れるだろうから』って! 『マコに逢わせるのはちゃんと色々準備が整ってからじゃないと駄目だ』って。お兄さんの彼女を好きになるなんて、そんな訳ないのにね!」
――アニキ。
お前は何処までも俺の事を、俺以上に理解してるヤツだな。
ああ。惚れちゃったよ。
しかも、電光石火の如く。
たった2人だけしかこの世に味方が居ないから、ずっと一緒だったから良く解る。
性格は違うくせに、好きになる女のタイプだけは何時も一緒だったから。
けどまさか。
そんな事、ありえねー。
初恋の相手は、決してその恋が実る事のない相手。
『アニキの 婚約者』
アニキの大切なモノは、俺は絶対に望まないのも知ってるから。
だから、どうしようもない状態に追い込んでからしか、逢わせてくれなかったんだな。
もし、婚約者ではなく、ただの彼女だったら――俺達に、万が一の間違いがあってしまったらいけないから。
そうならないように、俺にずっと黙ってたのか。
俺とアニキの仲や、佐緒里さんとの関係が壊れたりしないように。
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