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こんな大事な席に遅れてくるなんて、絶対おかしい!
けど、不安そうにしている佐緒里さんを、更に不安にさせるワケにはいかない。
俺は努めて明るく言った。「アニキの事だから、何かサプライズでも考えてるのかもよ! ワザと遅れて、俺達を驚かせようとしているんだよ、きっと!」
「うん、そうよね! 心配しすぎよね」
俺の言葉に、佐緒里さんが笑ってくれた。
ドキン――
心臓が、また動き出した。
クソっ。
コレから毎日、彼女の事を見つめる度にこんな想いしなきゃいけないのか。
どうせ新妻なら、不倫してもいいように、他所(よそ)のオトコのものであってくれればまだ救いもあったのに。
よりによって、何でアニキなんだよ。
そりゃ、アイツはいい男だよ。
俺も認めるよ。
尊敬もしてるし、大好きだけど。
・・・・一番恋敵にしたくない男だ。
だって、絶対に適わない。
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