ACT2. 人生初めての恋が訪れる日

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   こんな大事な席に遅れてくるなんて、絶対おかしい!  けど、不安そうにしている佐緒里さんを、更に不安にさせるワケにはいかない。 俺は努めて明るく言った。「アニキの事だから、何かサプライズでも考えてるのかもよ! ワザと遅れて、俺達を驚かせようとしているんだよ、きっと!」 「うん、そうよね! 心配しすぎよね」  俺の言葉に、佐緒里さんが笑ってくれた。  ドキン――  心臓が、また動き出した。  クソっ。  コレから毎日、彼女の事を見つめる度にこんな想いしなきゃいけないのか。  どうせ新妻なら、不倫してもいいように、他所(よそ)のオトコのものであってくれればまだ救いもあったのに。  よりによって、何でアニキなんだよ。  そりゃ、アイツはいい男だよ。  俺も認めるよ。  尊敬もしてるし、大好きだけど。  ・・・・一番恋敵にしたくない男だ。  だって、絶対に適わない。  
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