ACT2. 人生初めての恋が訪れる日

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  「ね、アニキとはどれくらい付き合ってるの?」  本当は聞きたくなんかないけど、彼女が嬉しそうに笑う顔を見たくてアニキの話を持ち出した。  俺は絶対、自衛隊には入れないな。  ・・・・自滅タイプだから。 「もう3年くらいになるかな。雅之さんは私の会社の取引先の人なの。何度か逢ううちに、自然と話すようになってて・・・・――私はとっても気になってた人だから、カレから連絡が合った時は、もう本当に嬉しかったわ!」 「へぇ~」 「雅之さんから付き合おう、って言われた時は、夢でも見ているんじゃないかって思ったの! あんなに素敵な人が、私を気に入ってくれるなんて――」  アニキ、多分俺と一緒で佐緒里さんに一目惚れしたな。  意外に打つ手も早いし。  それから暫く、アニキとの想い出が語られた。  彼女のぷくりと膨らんだ整った唇から零れるのは、アニキの話ばかりで。  彼女の顔を見ているだけで、微笑んでくれるだけで嬉しかったけれど、胸中複雑で。  どうしようもなかった。
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