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病院に駆けつけた俺達を、看護婦がアニキの元へ案内して貰った。
俺達を待っていたのは、アニキの変わり果てた姿。
赤信号で飛び出した子供を庇って――トラックに撥ねられたアニキの遺体。
「ア・・・・ニキ」
目の前の光景が、信じられなかった。
頭を強打したのが原因らしい。打ち所が悪かったのだ。
傷も無いのに。
綺麗な顔してるのに。
まるで眠っているみたいで――
何時も一緒で。
何時も2人で寄り添って生きてきたのに。
どうして俺を置いていったりするんだよ!
佐緒里さんをひとりぼっちで残したりして、どうするんだよ!!
お前、コレからずっと佐緒里さんと幸せになる筈だったんじゃねーのかよっ!!!
「ウソだろっ、アニキッ!!!」
誰か、ウソだって言ってくれよ。
なぁ。
昨日さ、俺、買い物サボっちまったから、アニキが食べたいって言ってた煮魚、作れなかっただろ?
だから本当は今日作ってやろうと思ってたんだよ。
そしたら大事なオンナ紹介したいとか言うからさ。
明日、作って喜んでもらおうって思ってたんだよ!
目、覚ませよ!
こんな所で寝てる場合じゃねーだろっ!!
お前はこれからずっとずっと、佐緒里さんと幸せになるんだよっ!
アニキの未来は、そう、決まってんだよ・・・・!!
俺はメチャクチャに泣き叫びながら、アニキの遺体にすがりついた。
わき目も振らず、一心不乱に、ただ泣き続けた。
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