ACT3. 絶望の果てに生まれる嫉妬

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   アニキ・・・・――  佐緒里さんの事だって、どうするんだよ。  今後のコトや、佐緒里さんのコト、随分あれこれ一人で考えた。  そしてふと時計を見ると、時間が大分進んでいた。  ・・・・あれ。  そういえば、佐緒里さんはどうしたんだろう。  アニキの部屋に行ってから随分時間が経っているし、遅い。  心配になったので、アニキの部屋に行ってみた。  アニキの部屋を開けると、ベッドに蹲る様にして佐緒里さんが腰掛けていた。 「雅之さん・・・・」  俺を見て、彼女は虚ろな瞳を湛えたまま微笑んだ。「こっちに来て?」  どうも、様子がおかしい。  俺は彼女にそっと近づいて尋ねた。「佐緒里さん?」  佐緒里さんの手には、アニキと一緒に撮影した小さな写真が握られていた。彼女はそのまま、俺にしがみついてきた。「雅之さん・・・・」  佐緒里さん。  俺はアニキじゃないんだよ。  顔は良く似てるかもしれないけど、ヤツの方が少し目が切れ長だし、性格は全然違うし、何も似てないんだ。  俺は、アニキにはなれない。  アニキのように立派には、なれない。  唯一アニキと一緒だって言うなら、貴女が好き、って事だけ。  
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