ACT4. 夢は覚め、罪深き現実が訪れる

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  「誠クン」  佐緒里さんの声がした。慌てて涙を拭って振り返ると、佐緒里さんが呟いた。「おはよう」 「あ、あの・・・・佐緒里さん・・・・」  言葉が、出てこなかった。  何て言えばいい?  アニキを失くして悲しいのは、俺だけじゃない。  寧ろ、佐緒里さんの方がもっともっと悲しい筈なのに。  それなのに俺は、彼女をこんな形で傷つけてしまった。 「佐緒里さん、ゴメン!! 謝って赦されるコトじゃないって解ってるけど、でも――」 「誠クン、謝らないで。私だっていけなかったの。雅之さんの事、本当に混乱してたのね。ちょっと、正常に考えられなかったの。だから――昨日の事は、忘れて?」 「佐緒里さん・・・・」  佐緒里さんは微笑んだ。「そろそろ帰らなきゃ」  佐緒里さんはベッドから抜け出し、床に散乱していた衣服を取り上げ、身に着けた。  あの白い肌に、昨日は無遠慮に触れてしまった。  あの白い肌に、沢山、俺の跡を付けてしまった。  最低な事を思い出した。だけど、それだけで俺はまた興奮する。  ――本当に、最低だ。  
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