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俺も衣服を身に付け、佐緒里さんをそっと盗み見た。
肩まで伸ばされたゆるくかかったパーマの髪。
白くて綺麗な肌。
愛らしい瞳、そしてぷくりと盛り上がった唇。
情事の時の、オンナの声。
全てが理想で、完璧だった。
彼女を見つめるだけで、最低だと解っていても、全身が、かあっと熱くなる。もっと彼女に触れていたい――そんな、欲どおしい考えがよぎる。
「誠クン、それじゃあ」
「あ、待って!!」
帰り支度をすっかり整えた佐緒里さんに、俺は何とか彼女の連絡先が聞けないか、必死に考えた。
「あのっ、アニキの・・・・アニキの事でまた連絡するから! 連絡先、教えてもらってイイかな?」
咄嗟に出た言葉だったが、自然に住所と携帯番号とメールアドレスを聞き出した。
向こうにしたら迷惑な話だろうけど。
それでも、彼女との繋がりが持てた事に、嬉しさを感じた。
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