ACT4. 夢は覚め、罪深き現実が訪れる

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   夢であってくれれば。  何時もみたいに、朝寝坊する俺の事を怒鳴って起こしてくれれば。  目を覚ましたら、何時ものように――  そう思っても、景色は変わらない。  犯した罪は、一生消えない。  アニキ――・・・・ゴメン。  俺、ホント何やってんだ。  佐緒里さんに、深い深い、決して消えることの無い傷をつけてしまったんだ。  彼女にもう一度謝りたかったけれど、彼女を見ていると、また、欲しくなってしまう。そんな風に思ってしまうなんて、ホント、サイテーだよ。  もう逢わない方がいいよな。  佐緒里さんを、もうこれ以上傷つけたくない。  けど、今は悩んでいても仕方ない。  アニキの葬式、ちゃんとやってやらなきゃ。  俺しか、アニキを天国に送り出してやれないんだ。  俺はアニキの遺影に飾る写真を探しに、2階の自分の部屋に行った。  雑にプリントが散らばっている机から、アルバムを探した。  見当たらないので引き出しを開けると、見慣れない封筒が入っていた。 『マコへ――        雅之』  それは、兄の達筆な字で書かれた、白い封筒だった。
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