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そうだ。彼女――佐緒里の事も話しておこう。
彼女は僕達と同じで、両親を亡くしているんだ。
偶然にも、同じ施設に居たらしい。彼女はすぐ別の施設に行ってしまったけれど。
彼女は僕達と違って、兄弟も居なかったから、なかなか人に溶け込めなくて、だから別の施設に行ったんだ。
一見、芯の強そうな女性に見えるけど、とても寂しがり屋な女性で、放っておけないんだ。
僕は、これから彼女を大事にしたいと思ってる。
勝手な事ばかり一方的に言ってるのは承知で聞くが、賛成してくれるか?
聞いておきながらなんだけど、駄目だと言っても、聞けないぞ。
悪いけど、他の何をマコに譲れても、佐緒里だけは絶対に譲れない。
だから、もし佐緒里の事が少しでも気になっているんだったら、今のうちに諦めてくれ。
――ただ。
もし僕に何かあった時は、佐緒里を頼む。
マコにしか頼めない事だから、先に言っておく。
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