ACT5. 兄から遺された約束

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 俺は、アニキの手紙を持って佐緒里さんの家まで行った。  彼女にも、この手紙を読んで貰おう。  どれだけアニキが佐緒里さんの事を愛していたか、知って欲しい。  そして、俺がこれからすべき事――・・・・  佐緒里さんのマンションは、俺の住む街から電車で10分程行った所にあった。駅からバスを乗り、何とか教えて貰った住所のマンションまでやって来た。教えて貰った部屋まで行き、インターフォンを鳴らしても、彼女は出なかった。  ――何だか、嫌な予感がする。  どうしてだ?  胸騒ぎが止まらない!!  玄関にはモチロン鍵が掛かっていて、開くはずも無かった。 「佐緒里さんっ、佐緒里さん!!」  近所迷惑を顧みず、ドンドン、と乱暴にドアを叩くが、彼女が出てくる気配も無い。ただの留守ならいいけれど。  でも、胸騒ぎが止まらない。  何か――とんでもない事が起こっているような気がして、ならない。
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