5061人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
俺は、アニキの手紙を持って佐緒里さんの家まで行った。
彼女にも、この手紙を読んで貰おう。
どれだけアニキが佐緒里さんの事を愛していたか、知って欲しい。
そして、俺がこれからすべき事――・・・・
佐緒里さんのマンションは、俺の住む街から電車で10分程行った所にあった。駅からバスを乗り、何とか教えて貰った住所のマンションまでやって来た。教えて貰った部屋まで行き、インターフォンを鳴らしても、彼女は出なかった。
――何だか、嫌な予感がする。
どうしてだ?
胸騒ぎが止まらない!!
玄関にはモチロン鍵が掛かっていて、開くはずも無かった。
「佐緒里さんっ、佐緒里さん!!」
近所迷惑を顧みず、ドンドン、と乱暴にドアを叩くが、彼女が出てくる気配も無い。ただの留守ならいいけれど。
でも、胸騒ぎが止まらない。
何か――とんでもない事が起こっているような気がして、ならない。
最初のコメントを投稿しよう!