ACT5. 兄から遺された約束

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 後、残るは寝室。  躊躇ってる暇は無いので、入りますよ、と一言声を掛け、無遠慮にドアを開けると、佐緒里さんはベッドの上で眠っていた。  それは、死んだように眠っていて。  俺は慌てて佐緒里さんに駆け寄った。  何度も彼女の名前を呼び、身体を揺するが起きる気配は無い。  寝室の傍にある小さなテーブルには、空になった薬の瓶や袋が沢山置いてあった。そして、飲み残した水。  まさか――・・・・ 「佐緒里さんっ!! 起きて、佐緒里さん!!!」  そんな、まさか――・・・・!!!  俺はすぐに携帯電話を取り出し、救急車を呼んだ。  間に合ってくれ!  アニキ、頼む!! 彼女を連れてったりしないでくれ!!  連れて行くなら、俺を連れて行ってくれ!!  俺は彼女を抱き上げ、マンションの下まで降りた。  タイミング良く、さっき呼んだ救急車がすぐ来てくれた。  もう、誰も失いたくない。  お願いアニキ。  佐緒里さんを助けて――・・・・  俺は必死に祈った。  お願い神様。  お願いアニキ。  彼女がもう一度、目を覚ましますように。  そして彼女がもう一度、あの素敵な笑顔で笑ってくれますように――・・・・  
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