ACT6. 綴られた本当の想い

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 救急車で近くの上川総合病院に運ばれてから、数時間。  佐緒里さんは薬をめちゃくちゃに飲んで、薬物自殺を図ったと見られた。  睡眠薬を始め、家にあったありとあらゆる薬物を飲んだ様だ。  発見が早かったので、彼女の体内から薬の摘出に成功し、大事には至らなかった。  今、佐緒里さんは病院のベッドで眠っている。  俺は病院側に無理言って、彼女が目覚めるまでは傍にいたい、と言って病室に泊まらせて貰った。  つきっきりで、彼女の手をずっと握って、彼女が目覚めるように祈った。 「佐緒里さん・・・・ゴメン、俺のせいだよな。俺が佐緒里さんを追い詰めちゃったんだよな。ホント・・・・ゴメン」  しかし必死の祈りも空しく、彼女が目覚めることは無かった。  
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