ACT6. 綴られた本当の想い

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 最初の方は、アニキの事が気になる、話をして嬉しい、といった可愛い内容が綴られていた。  よほど、アニキの事が好きだったのだろう。文章から、アニキへの想いが溢れていた。  初めてのデートは水族館。  初めて結ばれた日の事。  佐緒里さんの日記は、アニキの事ばかりだった。  そして、つい最近の日記――・・・・アニキが亡くなる前日の日記。   『さっき、雅之さんからプロポーズされちゃった!  そして彼の弟――誠クンとも、やっと逢わせて貰える。  嬉しくて仕方ないよ!  4月からは雅之さんと一緒に暮らせる。  誠クンと上手くやっていけるかな?  きっと、雅之さんに似て、素敵な男の子なんだろうな。  本当に嬉しいよ。明日が楽しみ!!』  そんな風に、俺のことが書いてあった。  そしてその次の日――アニキが死んで、俺が佐緒里さんを傷つけてしまった最悪の日の日記にも。
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