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「佐緒里さん、ゴメン!! 俺のせいで、俺がっ・・・・貴女を追い詰めたから! ホントにゴメン!!」
彼女は目を閉じて、ゆっくりと息を吐き出した。
そして、幾度と瞬きを繰り返す。
あぁ。目覚めてくれたんだ!
目を開けて、瞬きをしてる!
俺の名前を呼んでくれた!!
それがもう、スゲー嬉しい!!
「誠クン・・・・雅之さんは?」
「あ・・・・アニキは、もうちゃんと天国に送り出したよ。葬儀もちゃんと終わった。佐緒里さんの分まで、祈りこめて送り出したから」
「・・・・そう」
「佐緒里さん、一ヵ月くらい眠ってたんだ。その間、色々あってさ――」
「ん・・・・誠クン、ゴメン。今、貴方に逢いたくない。帰って? もう、私の事は放っておいて」話を続ける俺に返ってきたのは、彼女からの冷たい言葉だった。
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