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「うん、そうだよね。俺なんかに逢いたくないよね。気がつかなくてゴメン。帰るよ」
俺は頭を下げ、病室を出た。
看護婦さんに佐緒里さんの事をよろしくと告げ、俺は自宅に戻った。
佐緒里さんが目を覚ましてくれた。
それだけが、本当に嬉しくて。
アニキ、有難う。
佐緒里さんをこっちの世界に返してくれたの、きっと、アニキなんだろ?
きっと佐緒里さんは、アニキの事があるから俺を拒むんだろうな。無理も無いだろう。
けど。
それでも俺は、絶対に佐緒里さんを幸せにする。
佐緒里さんの心の中に居るアニキごと、愛してみせる。
彼女の本当のメッセージが、俺を強くしてくれている。
俺の想いが、アニキを越えるその日まで。
俺は何度でも、彼女に言う。
最大の、約束の言葉を。
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