ACT6. 綴られた本当の想い

9/9
前へ
/79ページ
次へ
「うん、そうだよね。俺なんかに逢いたくないよね。気がつかなくてゴメン。帰るよ」  俺は頭を下げ、病室を出た。  看護婦さんに佐緒里さんの事をよろしくと告げ、俺は自宅に戻った。  佐緒里さんが目を覚ましてくれた。  それだけが、本当に嬉しくて。  アニキ、有難う。  佐緒里さんをこっちの世界に返してくれたの、きっと、アニキなんだろ?  きっと佐緒里さんは、アニキの事があるから俺を拒むんだろうな。無理も無いだろう。  けど。  それでも俺は、絶対に佐緒里さんを幸せにする。  佐緒里さんの心の中に居るアニキごと、愛してみせる。  彼女の本当のメッセージが、俺を強くしてくれている。  俺の想いが、アニキを越えるその日まで。  俺は何度でも、彼女に言う。  最大の、約束の言葉を。  
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5077人が本棚に入れています
本棚に追加