ACT7. 婚約者の味は、禁断の果実

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  「は、離して、誠クン」佐緒里さんが、慌てて俺の腕から逃げ出そうとする。 「ゴメン、佐緒里さん。この腕は離せない。貴女があんまり可愛いからだよ。俺がこんなに狂って、溺れてしまったのは・・・・貴女のせいだよ」  もうダメ。  ちゃんと我慢しようと思ってたのに、俺ってヤツは――・・・・ 「誠クン、私、そんなつもりじゃ・・・・」 「ねぇ。今だけでいいから、貴女に触れさせて・・・・?」  何か言いかけようとしている佐緒里さんの唇を、そのままそっと自分の唇で包み込んだ。  愛しさが後から後から溢れて。  どうしようもないくらい、彼女を抱きたくて。  もう、触れたくて触れたくて仕方ない。  顔を真っ赤にさせて俯く佐緒里さんを優しく抱きしめて、俺の精一杯の気持ちを伝えた。 「俺、佐緒里さんが好きだ。貴女がいいっていうなら、たとえアニキの代わりでもいい。アイツはスゲーヤツだから、俺なんかじゃ代わりにはとても役不足だけど。すぐにアニキの事、忘れられる訳無いって思うけど。それでも、アニキの代わりでもいいから、貴女に愛されたい――・・・・」 「あ、あのっ・・・・わっ、私は・・・・今でも雅之さんのコト・・・・」  
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