ACT7. 婚約者の味は、禁断の果実

7/11
前へ
/79ページ
次へ
 けど、彼女は俺を心から拒んでいない。身体の反応や、彼女のしぐさで解る。  ――だから今度は、絶対に貴女を追い詰めたりしない。  貴女がもっと、俺に感じてくれるように。  俺がめいっぱい、貴女を愛すから。  たとえそれが、アニキの代わりだとしても。  佐緒里さんを見ると、彼女の大きな愛らしい瞳が潤んでいた。  頬が鮮やかな桜色に染まり、少し熱を帯びてきた柔らかい裸体は、まさに麻薬そのもので。  そして、彼女のぷくりと盛り上がった唇から零れる、乱れた甘いオンナの声。  決して、嫌だとは言わせない。  誰が言わせるものか。  俺はそっとその唇を塞いだまま、彼女の裸体を愛撫し尽し、そして再び、この腕に抱いた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5078人が本棚に入れています
本棚に追加