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佐緒里さんは返事をする代わりに、俺の胸に深く顔を埋めた。
だから、俺はそのまま佐緒里さんに囁いた。
「佐緒里さん、愛してる」
「――!!」
「愛してる」
耳まで真っ赤にして、俺の言葉を受け入れる佐緒里さん。
本当に愛しい。
どうしてこんなに彼女が好きなのか、自分でもよく解らないけど。
最初は、ただの一目惚れだったけど。
彼女を知れば知るほど、好きになっていく。
しっかりしているところも。
笑顔が可愛いところも。
優しいところも。
弱いところも。
強いところも。
真面目だからこそ、俺とアニキのコトで悩んでいるところも。
全部、好きだ。
全部、愛してる。
そんな風に愛を囁いていると、堪らなくなったのか、佐緒里さんが真っ赤な顔を上げて俺を見た。
「誠クン、私・・・・貴方の事、嫌いじゃ・・・・無いよ」
「それは良かった。嫌われてるかと思ってたよ」思わず、笑みが零れた。
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