ACT7. 婚約者の味は、禁断の果実

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 佐緒里さんは返事をする代わりに、俺の胸に深く顔を埋めた。  だから、俺はそのまま佐緒里さんに囁いた。 「佐緒里さん、愛してる」 「――!!」 「愛してる」  耳まで真っ赤にして、俺の言葉を受け入れる佐緒里さん。  本当に愛しい。  どうしてこんなに彼女が好きなのか、自分でもよく解らないけど。  最初は、ただの一目惚れだったけど。  彼女を知れば知るほど、好きになっていく。  しっかりしているところも。  笑顔が可愛いところも。  優しいところも。  弱いところも。  強いところも。  真面目だからこそ、俺とアニキのコトで悩んでいるところも。  全部、好きだ。  全部、愛してる。  そんな風に愛を囁いていると、堪らなくなったのか、佐緒里さんが真っ赤な顔を上げて俺を見た。 「誠クン、私・・・・貴方の事、嫌いじゃ・・・・無いよ」 「それは良かった。嫌われてるかと思ってたよ」思わず、笑みが零れた。
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