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1人であれこれ悩んでると、アニキの声が降って来た。「マコ。そろそろ学校行く時間だろ? 今日で最後なんだから、遅刻するなよ」
「へいへい」
ホント、口うるさい。
オヤジ、いや、ジジーだな。
「それじゃ、俺は先に行くぞ。マコ、今日19時にセントラルホテルで。遅刻、するなよ?」
「解ってるって! アニキのオンナ、楽しみにしてるぜっ!!」
「また、後でな」
アニキが手を振ったから、俺も思わず振り返した。
いい男2人して、朝から玄関先でナニやってんだか。
俺等のやりとりを見てた近所のオバサンが、ふふっ、て楽しそうに笑ってるじゃねーか!
ハズカシー。
――そしてこれが、俺の見た元気なアニキの、最後の姿だった。
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